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階段昇降機の定期検査と保守点検とは? 詳細や行うタイミングを解説投稿日:2022.12.02 更新日:2022.12.02

足腰が弱い方や加齢などにより体力が落ちた方にとって、階段は昇り降りするだけでも一苦労です。

そんな方でも安全に階段を昇り降りできるようサポートするのが、階段昇降機です。

階段昇降機は安全に使うために定期的な検査や保守点検が必要で、住戸内に設置されたもの以外は定期検査が義務付けられています。

そこで今回は、階段昇降機の定期検査と保守点検の内容や実施頻度、タイミングなどについて解説します。

階段昇降機とは

高齢になると、足腰が弱くなったり体力的な問題を抱えたりしているなどの理由から、若い頃のように階段の昇り降りが難しくなることがあります。

そのような方でもスムーズに階段を昇り降りできるよう、階段に設置されているリフトが階段昇降機です。

階段昇降機は公共施設や公共交通機関などで使用されているほか、住戸内の階段にも後付けで設置が可能です。

足腰が弱い高齢者の方や体が不自由な方、心臓への負担を軽減したい方は階段昇降機の利用によって安全に階段を昇り降りできるようになるため、生活の質向上が期待できます。

年に1回は階段昇降機の定期検査が必要

階段昇降機設置時の完了検査を行えるのは、一級建築士や二級建築士、または昇降機等検査員資格証の資格所有者のみとされています。

簡易的なリフトと考えられがちな階段昇降機ですが、建築基準法では住戸内のみで使用されるものを除いてエレベーターの一種に扱われます。

そのため建築基準法に基づき、階段昇降機の所有者や管理者には1年に1回の定期検査が定められています。

新たに設置した階段昇降機については、2年以内に初回の定期検査が必要です。

階段昇降機は乗る人の安全にかかわる機器であるため、不具合や故障箇所がないかどうかを厳しくチェックして安全性を保障し、性能を維持しながら事故につながりかねない故障を未然に防ぐのが、定期検査の目的です。

なお、定期検査ではあくまでも検査のみを行うので、階段昇降機のメンテナンスは含まれません。

※出典:建築基準法 | e-Gov法令検索|e-Gov法令検索

 

定期検査報告も行う

建築基準法第12条3項では、「国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者(次項及び第十二条の三第二項において「建築設備等検査員」という。)に検査(これらの特定建築設備等についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」とあり、階段昇降機は年に1回の定期検査を行うだけで終わりではなく、検査後は一定期間内に特定行政庁への検査結果の報告も行います。

つまり、個人宅に設置されたもの以外の階段昇降機は、1年に1回の定期検査とその検査報告までが義務となっています。

※出典:建築基準法 | e-Gov法令検索|e-Gov法令検索

 

階段昇降機を使わない場合は休止届を提出

階段昇降機の定期検査は、あくまでも使用しているときのみ行う必要があるものです。

設置してはいるものの、しばらく使用していない階段昇降機は休止届を特定行政庁に提出しなければなりません。

休止届を提出した使用していない階段昇降機は定期検査の対象外となりますが、当然ながら休止届を出している間に階段昇降機の使用はできません。

休止中の階段昇降機を再び使用したい場合は、使用日の3日前までに「特定建築設備等再使用届」の提出が必要です。

定期的な保守点検で異常がないか調査

個人宅に設置されているもの以外の階段昇降機には年1回の定期検査が義務付けられていますが、定期検査以外に「保守点検」も行われます。

定期検査と保守点検は異なり、定期検査が建築基準法で年1回の実施と検査報告が義務となっているのに対し、保守点検は義務ではないため報告も義務付けられていない点が大きな違いです。

保守点検は頻度も定められてはいないため、使用状況や使用環境などに応じて実施頻度が変わります。

例えば、海に近い場所の屋外に設置された階段昇降機の場合、塩害の可能性が考えられることから、保守点検の頻度が増える可能性があります。

保守点検の頻度に関しては、階段昇降機設置時に業者に確認しておくといいでしょう。

保守点検は住戸内に設置された階段昇降機に対しても行われ、設置時に併せて保守契約するケースが多く見られます。

保守点検は義務でありませんが、長く安全に使用するための維持管理として、住戸内設置の階段昇降機であっても定期的な保守点検を実施しましょう。

定期検査は階段昇降機の安全性を確認するために行われますが、保守点検では点検と併せてメンテナンスも行います。

階段昇降機の作動に欠かせない駆動部分や椅子回転軸などに問題がないか、レールを固定する金具が緩んでいないか、安全装置や停止スイッチがきちんと作動するか、駆動に必要な配線の状態など、安全に階段昇降機が作動するかを慎重に確認することで事故を予防し、安心して利用できるようにしてもらえます。

定期検査や点検を行って安全に階段昇降機を使おう

階段昇降機は、高齢者の方や足が不自由な方も乗るものです。

安全性に難がある場合、階段からの落下などのリスクが高くなり、乗る人の命の危険にも関わってしまいます。

定期検査や保守点検は欠かさず実施し、安全に階段昇降機を使いましょう。

階段昇降機のことならリフテックにお任せください。

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