ホームエレベーターと階段昇降機のどちらがいいの? それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説投稿日:2023.03.15 更新日:2023.03.15
2階建て以上の住宅内を上り下りするための機械には、ホームエレベーターと階段昇降機の2種類があります。自宅にこのいずれかを設置したいと考えた場合、どちらが適しているのか迷ってしまうことがあるでしょう。そこで今回は、ホームエレベーターと階段昇降機それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
目次
ホームエレベーターとは
ホームエレベーターとは、その名の通り家庭内に設置するエレベーターです。個人住宅にのみ設置できるエレベーターで、ワイヤーでかごを吊り上げ・吊り下げる「ロープ式」、電動ポンプでかごを動かす「油圧式」の2種類の駆動方式があります。 ホームエレベーターは定員3名以下、積載量200kg以下でかごの床面積が1.3m2以下という規定があり、学校や共同住宅などに設置される小型エレベーターとは規定そのものも異なります。
ホームエレベーターのメリット
ホームエレベーターは、複数名が同時に同乗できる点が階段昇降機と大きく異なる点で、かつ大きなメリットです。要介護の方が階段を往復する際、介助者も同乗できます。足が不自由な方が無理に階段を上り下りすることで起こり得る事故を防げることに加えて、上階へ自由に行き来できるようになることから、家族との間の孤立を防いでQOL(生活の質)向上も期待できるでしょう。 また、3名まで同乗できる面積に200kgほどの積載量を持つホームエレベーターは、荷物の運搬にも便利です。重く大きい荷物を上階と下階を持ち運ぶ際でも、安全に運べます。 その他にも、2階以上にリビングがある家庭では玄関にホームエレベーターがあれば直接リビングへ案内できるというメリットもあります。
ホームエレベーターのデメリット
ホームエレベーターのデメリットとしてまず挙げられるのが、費用です。階段昇降機よりも費用が高く、本体費用に加えて設置工事費用もかかります。階数が増えるたびに費用がアップし、木造住宅では補強も必要であるため、費用がかさむ上に設置工事も大掛かりとなり、設置までかかる時間も長くなります。 ホームエレベーターは本体そのものの費用に加えて設置工事費用がかかりますが、毎年の固定資産税にも関わるものです。ホームエレベーターは固定資産にあたり、課税対象となります。設置した住宅は資産価値が高くなるため、固定資産税が高くなることもある点もデメリットです。 また、ホームエレベーターはすべての住宅に設置できるわけではありません。新築住宅であればあらかじめエレベーターを設置するための設計にできますが、後付けの場合は間取りやスペースの位置、または構造上の都合などによって取り付けできないこともあります。
階段昇降機とは
「階段リフト」とも呼ばれる階段昇降機は、椅子型の本体が階段に設置したレールの上を動くことで階段の上り下りできる機械です。利用の際は椅子に座った状態でシートベルトを装着し、ゆっくりと作動します。設置スペースを取らず、設置工事にかかる時間も短いため、間取りや構造を問わず設置しやすいといえます。
階段昇降機のメリット
階段昇降機のメリットは、後付けでも設置がしやすいという点です。ホームエレベーターは間取りや構造によっては設置不可能なこともありますが、階段昇降機であればほとんどの場合設置できます。大掛かりな工事も不要で、工事期間も1日で済むことが多い点もメリットです。 費用面でも、階段昇降機はホームエレベーターよりも安価な負担で設置できる点も大きなメリットとして挙げられます。本体と工事費用はかかるもののリフォームは不要で、直線タイプの階段に設置する場合は100万以下で設置できることもあります。また、階段昇降機はレンタルでも利用できるので、レンタルを利用すればさらにコストを抑えられます。
階段昇降機のデメリット
階段昇降機は既存の階段に取り付けるため、階段を普通に通行する際に場所を取ってしまい、邪魔になることがある点がデメリットです。また、基本的にリフォームせずに設置できる階段昇降機ですが、設置する際に手すりなどの撤去が必要となることもあります。 椅子に乗って上り下りをする階段昇降機は、1人乗りです。2人以上での利用が不可能なので、要介護者が利用する場合は介助者と同乗できない点がデメリットと感じることもあるでしょう。
ホームエレベーターと階段昇降機はどちらがいい?
ホームエレベーターと階段昇降機は、どちらも住宅内の上り下りを容易にしてくれる機械です。では、自宅に設置する場合はどちらが適しているのでしょうか。 ホームエレベーターは、そもそも設置のためのスペースが必須です。本体価格が高価で、単純に設置するだけでも設置工事費用もかかります。さらに、住宅の構造によってはリフォームも必要、固定資産税も高くなることから、費用面がネックになる可能性があります。 階段昇降機は1人のみでの利用にはなりますが、ホームエレベーターほど高価ではなく、多くの住宅の階段に設置可能です。介助者が同乗できないデメリットがあるものの、ホームエレベーターよりも格段に費用を抑えられます。 自宅に余裕のあるスペースがあり予算にも余裕がある、介助の際に同乗が必要な場合はホームエレベーター、1人乗りでも問題なくできるだけ費用を抑えたい場合は階段昇降機がおすすめです。
まとめ
ホームエレベーターと階段昇降機には、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。設置する際の費用や住宅環境によってもどちらが適しているかが異なるので、今回ご紹介した情報を参考に、どちらを設置するか検討してみましょう。