階段昇降機のデメリットは?設置するときの確認事項について解説投稿日:2023.02.20 更新日:2023.02.20
足が不自由な方や加齢などによって身体機能が落ちている方は、階段の上り下りだけでも大変で、場合によっては危険な転落事故を引き起こすこともあります。そのような事故のリスクを減らして安全に階段の上り下りができる機器が、階段昇降機です。利便性が高い一方で、階段昇降機にはいくつかのデメリットもあります。今回は、階段昇降機のデメリットや設置の際に確認しておきたいポイントについて解説します。
目次
階段昇降機を設置するデメリット
階段昇降機は、足が不自由な方や介護を必要とする高齢の方でも、安全に階段を上り下りできる装置です。便利な機器ではありますが、その一方でデメリットもあります。階段昇降機を設置する前には、以下で紹介するデメリットも押さえておきましょう。
設置費用がかかる
階段昇降機設置の最大のデメリットは、設置費用がかかる点です。ホームエレベーターよりも設置費用が安価ではあるものの、選択する機種や階段のタイプなどによって数十万~数百万円の費用がかかります。階段昇降機は現時点で介護保険の適用外であるため、設置にかかる費用が自己負担となる点も、設置費用が高くなる要因です。
設置費用が高額すぎる場合は、レンタルを利用する方法があります。レンタルの場合でも一定の費用はかかるものの、階段昇降機を購入・設置するよりも費用を軽減できます。
使わないときに通行の邪魔になる
階段昇降機の設置には、ある程度のスペースが必要です。設置すれば足腰が弱い方にとっては階段の上り下りが楽になりますが、普通に階段を使う家族にとっては階段を通行しづらくなってしまいます。幅の狭い階段に設置すると、どうしても階段昇降機が幅を取ってしまうため、階段昇降機を使わない人にとっては通行の邪魔と感じることもあるでしょう。
階段に加工が必要な場合がある
階段昇降機の設置には、階段にレールを取り付けなければなりません。各家庭の階段の形状やタイプによっては、階段の手すりを取り外してレールを固定することもあります。階段を加工する必要が出てくると、その分設置にかかる費用も増えてしまいます。
階段昇降機を設置するメリット
家庭に設置する階段昇降機は、費用面や設置場所の通行の邪魔になるなどのデメリットがありますが、メリットが大きいことも事実です。では、階段昇降機の設置にはどのようなメリットがあるのかも、解説していきます。
安全に階段の昇り降りができる
階段昇降機は、乗るだけで安全に階段の上り下りができる点が大きなメリットです。階段の上り下りに苦労している高齢者の方や介護を受けている方は、階段往復の負担を大幅に減らせます。
階段昇降機には安全装置も搭載されているので、足で上り下りをするよりも安全に階段を行き来できます。
介助の負担が減る
加齢により足に問題を抱えている方や要介護の方など、一人きりで階段の上り下りが難しい場合、家族が介助する必要があります。介助の際に要介護の方を抱えて上り下りをすることは、介護者の方にとっても身体的に大きな負担となるでしょう。車椅子を使用している方を車椅子ごと上り下りが必要な場合は、さらに大きな負担となり、思わぬ事故を引き起こす可能性も考えられます。
階段昇降機があれば、負担になることが多い階段の上り下りを機器にまかせられるので、介護者の介助の負担や事故の可能性を大幅に減らすことが可能です。
階段昇降機を設置するときの確認事項
階段昇降機はいくつかのデメリットがあるものの、階段の上り下りが難しい方、不安がある方とそのような方を介助する介護者にとってメリットがある機器です。しかし、すべての家庭に設置できるわけではありません。階段昇降機の設置を検討している場合は、まず設置を希望する場所が以下の条件をクリアしているかどうか、確認しておきましょう。
階段に設置するスペースがあるか
階段昇降機を設置するにあたって専用のスペースは必要ありませんが、設置スペースは必ず確認しておくべきポイントです。一般的な階段昇降機は約70cmの幅があるので、最低でも直線的な階段は70cm、曲線のある階段では75cmのスペースが必要です。この大きさの機器を設置するスペースがない階段には、階段昇降機の設置が難しくなります。
日本家屋は階段昇降機を設置できるスペースがあることがほとんどですが、ギリギリの大きさの場合、階段を通行する際に邪魔となる点も注意が必要です。特に、古い住宅では設置スペースに余裕がないこともあるため、しっかりと階段の幅を計測しておきましょう。
近くにコンセントがあるか
階段昇降機は電動式ですが、コンセントから直接給電する常時給電式と、搭載したバッテリーから電力を供給して動作するバッテリー式の2種類があります。直線タイプの階段には常時給電式、曲線のある階段ではバッテリー式が用いられることが多いですが、いずれのタイプを選んだとしても電気で動く機器のため、設置箇所の近くにコンセントがあるかどうかを確認しておくべきです。バッテリー式であっても充電が必要となるため、階段昇降機の近くにコンセントは必要です。
もし近くにコンセントがない場合、コンセントを新設しなければなりません。
まとめ
階段昇降機は設置にあたってのデメリットや確認すべきポイントがいくつかあるものの、介護の負担を減らして安全に階段を上り下りできる便利な機器です。設置を検討している方は、今回ご紹介したデメリットや注意点を踏まえて、階段昇降機を導入しましょう。