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段差解消機の種類と知っておくべき選び方を解説!投稿日:2023.08.18 更新日:2023.08.18

高齢で足腰が弱った人や怪我などで体が不自由な人にとっては、たとえ小さな段差でも移動を妨げてしまうことが少なくありません。

部屋と部屋との間の敷居や階段、別フロアへの昇降など日常生活では段差を越えて動く機会が多く、本人はもちろん介護者にとっても重要な課題です。

そんな問題に対応する器材や設備の一つが「段差解消機」です。

文字どおり動線にある段差を解消してスムーズに移動できるようにするもので、規模や状況に応じてさまざまなタイプがあります。

本記事では高さごとに分けられる段差解消機の種類と、選び方のポイントについて解説します。

 

 

【段差別】段差解消機の種類

段差解消機には段差の高さや設置する場所、用途などによって多くの種類があります。以下に段差別にどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

 

低い段差の場合

まずは玄関で靴を脱いで家へ上がる「上がり框(あがりかまち)」のような比較的低い段差に対応する段差解消機の例を3つご紹介します。おおむね40センチメートル程度までの高さが目安です。

 

可搬型スロープ

移動しようとする段差間に差し渡して使う、持ち運び可能な板状器具を「可搬型スロープ」といいます。車いすの方が電車の乗降に使用しているものが代表例です。 運搬が容易で使用条件を満たしていればどこでも使えるため、経済的かつ汎用性の高い段差解消機です。

 

固定スロープ

段差にブロック状の部材を設置して、常設の緩やかな勾配を作り出すのが「固定スロープ」です。丈夫なスロープを短時間で設けられ、なおかつ撤去も容易なため緊急の場合にも重宝します。 これには後述するようにさまざまな段差の形に対応できる組み立てタイプのものもあります。

 

踏み台

段差の間にもう一段の段差を設け、それぞれの高低差を抑えるのが「踏み台」です。自力での昇り降りがある程度可能な方向けですが、工事は必要なく手軽に設置できることにメリットがあります。 靴の収納を兼ねた踏み台もあり、安定性や天板面の広さ、滑りにくさなどを考慮して選ぶのがポイントです。

 

中高程度の段差の場合

次に中高程度の高さに対応する段差解消機の例を2つご紹介します。段差の高さは40センチメートルから2メートル程度までが目安です。

 

組み立て式の固定スロープ

低い段差用として先に紹介した「固定スロープ」には、中高程度の高さにも対応できるタイプがあります。 「組み立て式の固定スロープ」はさまざまな段差の状況や高低差に合わせてフレキシブルに形状を変えられるものです。 低い段差用のものに比べて部材の規模が大きく丈夫になりますが、柔軟性にも配慮された材質が使われています。

 

昇降リフト

高低差が大きすぎたり、スペースに限りがあったりしてスロープを設置できない場合は、機械式の「昇降リフト」という選択肢もあります。 昇降リフトという名の通り、台となるテーブルが上下し、車いすに乗ったままでの移動が可能です。 近年では工事不要で置くだけのタイプも登場し、導入のハードルが下がっています。

 

階段などの大きな段差の場合

最後に階段などフロアをまたぐような高い段差に対応する段差解消機を見てみましょう。 大がかりな工事を必要とする設備に加え、人力での使用が可能なものを含めて4つの例をご紹介します。

 

エレベーター

ビルなどの高層建築に備えられているエレベーターは、段差解消機の一種です。 住宅では最初からエレベーターを設置することは一般的ではありませんが、介護などを目的とした小規模なものや家庭用の「ホームエレベーター」があります。

 

いす型階段昇降機

階段の横にレールで移動できるいすを取り付けたものが「いす型階段昇降機」です。 高齢であったり体が不自由であったりすると階段の上り下りができないケースも少なくありません。いす型階段昇降機は腰掛けた状態で上の階と下の階の移動が可能になります。

 

車いす用階段昇降機

上記のいす型階段昇降機に対して、車いすに乗ったまま移動できるのが「車いす用階段昇降機」です。 普段から車いすを使っている人は、昇降の都度に車いすから乗り降りする必要がない点にメリットがあります。

 

階段昇降車

階段に設置する形で移動させるリフトを「階段昇降車」といいます。 工事が不要で、直接乗るタイプや車いすごと移動できるものなどがあります。

 

知っておくべき段差解消機の選び方

便利な段差解消機ですが、タイプによって設置の制限や用途の向き不向きがあります。 以下、段差解消機を選ぶ際に把握しておきたい項目を3点挙げました。

 

設置スペースで選ぶ

まずは段差解消機を設置しようとするスペースの広さと形状が重要となります。 例えばスロープを設けようとしても、空間の制限から急角度となってしまうと逆に危険です。また、そもそもそのスペースに段差解消機が設置できるか、設置しても生活導線をふさがないかなどもチェックしましょう。

 

介添え者の有無で選ぶ

段差解消機には使う本人が一人で操作できるものもありますが、介添え者が必要なものもあります。 例えば手動でハンドルを回したりペダルを踏み込んだりして上げ下げするタイプの昇降リフトなどがそうで、車いすの方は一人で操作することができません。 こうした介添え者の有無を考慮して段差解消機を選ぶこともポイントです。

 

予算で選ぶ

段差解消機の規模は持ち運びできるサイズのものから昇降リフトやエレベーターのような大型のものまでさまざまですが、大がかりになるにしたがって費用がかかります。手動式よりも自動式の方が高額になる傾向にあり、100万以上の商品もあります。 必要な機能を見極めつつ予算と照らし合わせて、介護保険の適用なども考慮に入れながら、よく検討しましょう。

 

まとめ

高齢者などの事故には屋内での転倒による怪我が多く、段差でつまずく例も少なくありません。 骨折などの重傷を負うと完治が難しく、それをきっかけに車いすが必要になることもあります。 そのようなリスクを避けるためには安全に生活できる環境を整えることが大切です。段差解消機もその選択肢の一つとなるでしょう。

階段昇降機のことならリフテックにお任せください。

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