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天井走行リフトとは? 基礎知識や用途を解説投稿日:2023.07.12 更新日:2023.07.12

高齢化社会の到来に伴い、介護が重要な課題の一つとなっています。

介護の内容にはさまざまなものがありますが、中でも足腰が弱くなっている方のベッドや車いすへの移乗、入浴介助やトイレへの移動などは細心の注意が必要です。

これらは介護者にとって大きな負担であり、介護人材の確保とあいまってネックとなる部分の一つでもあります。

こうした人力だけでは心もとない要介護者の移動・移乗をサポートする機材として、「介護用リフト」が挙げられます。

文字どおり要介護者の体を吊り下げるリフトであり、安心・安全に移動・移乗ができるため介護者の身体的負担を軽減することも可能です。

本記事では介護用リフトの中でも天井走行タイプのリフトに焦点を当て、その概要や用途、メリットについて解説します。

 

天井走行リフトとは?

天井走行リフトとは天井に固定したレールに吊り具を設置し、要介護者などを移乗・移動させることのできるリフトです。

昇降やレールの走行については手動あるいは電動で行い、要介護者の体を人力のみに頼って持ち上げる必要がないため、双方に負担が少なく安全性も確保されます。

家屋の天井にレールを設置するという最低限の工事で運用でき、床面の段差やベッド・車椅子などとの高低差も障害となりません。

機種によっては鴨居や壁をまたいでの取り付けも可能で、専用のフレームを後付けするタイプの天井レールもあり、大規模な改装を必要とせずに使えるものがあります。

 

床走行式リフトとの違い

同じ介護用リフトでも、「床走行式リフト」と呼ばれるタイプもあります。

これは読んで字のごとく、キャスターなどが付いたフレームで吊り下げるリフトであり、それ自体を自由に動かすことができるものです。

天井走行リフトは天井に直接設置したレールに、あるいは後付けしたフレームに組み込まれたレールにリフトを吊り下げ、そこを移動させる形式となります。

床走行式ではそうしたレールの制約がないため、フレキシブルに使用できるのが大きなメリットです。

ただし走行には一定のスペースが必要であり、室内空間の段差を乗り越えることや部屋から部屋への移動には制限が生じるケースもあります。

 

天井走行リフトの用途

では次に天井走行リフトの具体的な用途について見てみましょう。

代表的な活用例を、以下に3点挙げました。

 

ベッドや車いすへの移乗

要介護者の身体状況によっては自力での起居が難しいケースもあるため、介護の際には体を抱えて持ち上げる必要が生じることもしばしばです。

特にベッドに上がるとき、またはそこから降りるとき、車いすに乗降するタイミングなどでは介添えに力が要ります。

そうしたシーンで天井走行リフトを用いると、要介護者の体全体を吊り下げて昇降できるため容易に移動・移乗が可能となります。

ベッドや車いすといった高低差のある場所では特に有効で、動線もある程度固定できることから天井走行リフトが効果を発揮する用途です。

 

入浴

入浴介助は特に気を遣う動作が多く、滑りやすい浴室で要介護者の体重を支えるのは、介護する側にとっても危険を伴う場合があります。

天井走行リフトには浴室用のものもあり、全体を固定して使う専用タイプ、そして本体の一部を取り外していくつかの場所で使えるポータブルタイプがあります。

 

トイレ

足腰が弱るとトイレのための起居にも介助が必要となりますが、頻度が多い行動となりやすいため天井走行リフトの使用が有効です。

トイレ用というのは動線の確保だけではなく、吊り具のストラップにスリットが入っていて便座に着いたらそのまま排泄できる工夫が施されています。

 

リフトを使用するメリット

天井走行リフトを中心にその概要や用途を述べましたが、では具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

以下に介護する側、そして要介護者と双方に関わる身体的な利点を2例挙げました。

 

介護者の負担軽減

リフトを利用するメリットは要介護者にとってだけではなく、介護する側の身体的負担を軽減できる点にもあります。

介護の技術では抱き起したり移乗したりする際の効率的な体の使い方がありますが、一人だけでは介助が不可能なケースもあります。

要介護者が介護者の筋力で支えきれない体格である場合などがそうで、複数人での介助を必要とすることも珍しくありません。

このような事情から介護者は腰痛などを発症しやすく、大きな肉体的負担となっています。

その点、機械力によるリフトを使用することで介護者の負担を軽減でき、人的リソースの問題にも貢献するといえるでしょう。

 

安全性の確保

前項の問題にも当てはまりますが、人力で要介護者を移動・移乗させるのは一定の危険が伴います。

落下や転倒の可能性も皆無ではなく、それは双方にとってのリスクといえるでしょう。

しかしリフトを使用することによって、安定した状態で安全に要介護者の昇降・移動が可能となります。

吊り具やハーネスで体全体をしっかりと固定でき、また体勢のズレを補正して水平を保つ機能を持つ機種もあることから、安全性の確保にもメリットがあります。

 

まとめ

介護の問題は介護人材の不足とも相まって、深刻さを増しています。

人力を補ってより安全・安心な介護ができる天井走行リフトのような設備を上手に使って、介護する側もされる側もより快適に過ごすことを目指しましょう。

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