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歩行障害の原因と介助方法について投稿日:2023.10.24 更新日:2023.10.24

歩行障害とは体の各部位が先天的または後天的な障害・病気の影響を受けて、うまく歩けなくなる状態のことです。

 

歩くためにはふくらはぎや太ももの筋肉だけでなく、脳からの命令を伝える神経の働きが必要です。骨組織や筋肉組織以外にも、神経系統の異常が原因で、ふらつきが起きている場合もあります。

 

本記事では歩行障害の種類や原因、介助する方法について解説します。上手く歩けず困っている方や、身近に歩行障害を疑われる人がいる方はぜひご一読ください。

 

歩行障害にみられる症状

 

歩行障害の代表的な症状は重心が安定せずふらふらと歩く失調性歩行、前かがみで少しずつしか歩けない小刻み歩行が挙げられます。

 

つま先を引きずる痙性歩行、両足をクロスさせて歩くはさみ足歩行、腰が左右に振れてしまう動揺性歩行などもあります。足首が垂れたままで、太ももから足を高く持ち上げて振り下ろすように歩く鶏歩も、症状の一つです。

 

間欠性跛行は、歩行を続けると下肢に痛みや疲労感が出始め、歩けなくなる症状です。足を引きずらないと歩けませんが、休息を取れば症状は収まります。

 

墜落性跛行は左右の足の長さが異なるために、まるで飛行機が墜落するかのように激しい動作を余儀なくされる状態です。

 

※参考:御所南リハビリテーションクリニック.「歩行障害の種類とその原因とは?」

.https://goshominami-clinic.jp/knowledge/gait-disturbance-cause.html ,(2023-9-28).

 

歩行障害の原因

 

歩行障害が起きているときは、骨や筋肉の病気・障害の可能性が高いです。リハビリで痛みを改善しながら、骨盤の歪みの矯正をはじめ根本的な治療を行うと回復に向かうでしょう。

 

筋肉と骨の両方が関連する症状としては、関節リウマチや外反母趾が代表的です。先天性の疾患の場合もありますが、外反母趾は日頃からつま先にゆとりがある靴を履くことで予防できます。

 

骨折や筋肉の断裂などによって歩行障害が引き起こされる場合もあります。外傷が治癒し、リハビリを続ければ、症状が改善するケースも少なくありません。しかし、損傷の範囲や程度がひどいと後遺症が残ることもあります。

 

歩行障害を引き起こす筋肉の代表的な疾患はサルコペニアです。栄養状態の悪化や筋肉量の低下で筋組織が細く劣化した状態の総称で、高齢者に多くみられます。厳密には病気ではありませんが、筋肉が弱まった状態だとうまく歩行できず、動こうとしたとき転倒するリスクが高まります。

 

歩行障害の原因は、筋肉に「歩け」と指示を与える脳や神経機能の場合も珍しくありません。歩けなくなることがある脳の病気は脊髄小脳変性症、多系統萎縮症等です。これらは小脳や脳幹の委縮によって引き起こされ、歩行障害のほか、筋肉の硬直や血圧の乱高下などが伴うこともあります。

 

脳卒中やくも膜下出血も歩行障害を引き起こす脳の疾患です。ひどい場合、運動障害や言語障害も併発するのが怖いところです。

 

急にふらふらと歩く失調性歩行がみられるようになったときは、ウェルニッケ脳症が疑われます。ウェルニッケ脳症はビタミンB1の欠乏やアルコール依存によって生じる疾患で、眼球運動や運動障害などが伴う場合があります。

 

歩行障害と関係がある神経系の代表的な病気は、骨や関節の異常で神経が圧迫される腰部脊柱管狭窄症です。痛みや疲労感が伴うため、長い距離を続けて歩くことができなくなります。

 

後縦靭帯骨化症も、歩行障害につながる神経系の疾患です。背骨を通る後縦靭帯という組織が骨のように硬化し、脊髄を圧迫します。手足のしびれや足のつっぱりなどの症状が現れ、結果的に歩行障害が引き起こされます。

 

動脈硬化で歩けなくなるケースも疑ってみましょう。手や足の血管に詰まりが生じると歩行に必要な栄養や酸素が行き届かず、手足を思い通りに動かせなくなるのです。動脈硬化が原因の場合、重い荷物を持ったときをはじめ、患部に強い負荷が生じた際に症状が現れます。

 

血流を必要とする作業を止めると痛みが引き、症状が和らぐのが特徴です。ただし根本の動脈硬化を改善しないと、完全には回復しないので注意してください。

 

※参考:御所南リハビリテーションクリニック.「歩行障害の種類とその原因とは?」

.https://goshominami-clinic.jp/knowledge/gait-disturbance-cause.html ,(2023-9-28).

 

歩行障害の方へ介助する方法

 

歩行障害の患者のサポートは、症状の部位や程度に応じて変えるのがポイントです。歩行介助の方法には斜め後方から監視する見守り介助、利き手とは逆側から手を差し伸べる寄り添い介助、向き合う形で立って両手で支える手引き介助などが挙げられます。ほかにも杖や歩行器、シルバーカーのような歩行器具を使うのも有効です。

 

片麻痺がある、パーキンソン病で認識しづらい、膝折れしやすいなど、1人ひとりの状態は異なります。症状や原因をきちんと把握することで、転倒を防ぐための対策をはじめ、迅速な対応が可能です。

 

歩行障害が起きていると、電気コードや絨毯などの軽微な段差でもつまづく恐れがあります。歩行時の動線には十分注意を払い、小さな障害物もない安全な状態を確保してください。

 

歩行介助の手順は歩けない側からサポートするのが基本です。体の片側に症状が見受けられる場合、転倒を避けるため歩けない側から手を差し伸べます。階段昇降時も同様です。杖を使用している場合、はじめに杖の操作をサポートします。

 

まとめ

 

足が痛くて上手く歩けないときは、骨格や筋肉に問題が生じている可能性が高いです。骨盤のずれを正すことで、元どおり歩けるようになる場合があります。普段から姿勢が悪い人は、骨格矯正や骨盤矯正を検討してはいかがでしょうか。

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