高齢者の階段での転倒を防ぐ方法は?リスクや原因も解説投稿日:2024.02.29 更新日:2024.02.29
離れて暮らす高齢の両親がいたり、高齢者を家に残して外で仕事をしたりしている人の中には、高齢者が階段で転倒するリスクを少しでも減らしたいと思っている方も多いでしょう。今回は、高齢者が階段で転倒するリスクや原因、対策などを紹介します。この記事で紹介する内容を参考に、高齢者の転倒リスクを減らして生活できるようにしましょう。
目次
高齢者が階段で転倒するリスク
東京消防庁が公表している令和元年中のデータによると、救急搬送人員数自体は、年齢が上がるごとに減少します。具体的には、70歳~80歳で約250人、90歳で約200人、99歳以上で約70人です。一方で人口に占める救急搬送人員の割合は、年齢が上がるにつれて上昇します。70歳で約0.1%、80歳で約0.3%、90歳で約0.5%、99歳以上になると約0.7%を超える状況です(※1)。
歳を重ねるにつれて、より多くの人が救急搬送されています。
また階段での転倒を含めた「落ちる」事故による症状の割合は、以下のとおりです(※1)。
- 軽症4,079人:3%
- 中等症3,028人:0%
- 重症186人:5%
- 重篤72人:0%
- 死亡15人:2%
入院の必要がないとされる軽症が55.3%を占めている一方で、4割以上の人が入院の必要がある中等症以上と診断されています。階段での転倒は、大きな事故につながる可能性があります。また、転倒は介護の原因となるので注意が必要です。厚生労働省による「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、介護が必要になった主な原因は以下のとおりです(※2)。
1位 認知症:16.6%
2位 脳血管疾患(脳卒中):16.1%
3位 骨折・転倒:13.9%
介護状態になれば、日々のサポートや施設への入居など大きなリスクを伴います。少しでも転倒リスクを軽減させることは、日常生活を維持するために重要です。
※1参考:東京消防庁.「救急搬送.データから見る高齢者の事故」.https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/202009/kkhansoudeta.html,( 2024-02-16)
※2参考:厚生労働省.「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf,p2,( 2024-02-16)
高齢者が転倒する原因
ここでは政府広報オンラインでも紹介されている高齢者の転倒の主な原因として、以下の3つを詳しく解説します(※)。
- 身体機能の低下
- 病気や薬の影響
- 運動不足
※参考:政府広報オンライン.「たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?」.https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202106/2.html,(2021-06-21).
身体機能の低下
加齢に伴う身体機能の低下は、転倒の原因につながります。歳を重ねるごとに、筋力やバランス感覚、柔軟性、瞬発力などの身体機能が少しずつ低下するのが一般的です。例えば、階段で転倒しそうになったとします。若い頃であれば、転倒しそうになっても体を支えることができましたが、高齢者は筋力が低下しているので自分の体を上手く支えることができません。万が一転倒した際も、柔軟性があれば大きなけがを防ぐ動作ができるかもしれませんが、それも難しくなります。
加えて、自分はまだこれくらい動けると思っていても、実際の動作とのギャップによって、転倒につながる可能性もあります。
病気や薬の影響
病気や薬の影響による転倒も起こり得るでしょう。高齢になると複数の病気にかかりやすくなり、多くの薬を服用する人も増えます。薬を飲むことにより、目眩がしたりふらついたりして、転倒する可能性が高くなります。もし思い当たる節があり、薬を何種類も飲んでいる人は、かかりつけの病院や薬剤師に相談するのがおすすめです。
運動不足
運動不足も転倒の原因の一つです。加齢に伴って体を動かすことが億劫になり、外出や階段の上り下りなどの日常的な運動の機会が減少します。転倒のリスクを減らすためには、できるだけ体を動かし、とっさの場合にも大きな事故につながらないように心掛けましょう。
高齢者の階段での転倒を防ぐ方法
高齢者が階段で転倒するのを防ぐ方法として、ここでは以下の3つを紹介します。
- 滑らないようにする
- 手すりをつける
- 専門家に相談する
滑らないようにする
高齢者が階段で転倒する原因となるような、滑りやすい靴下やスリッパは使用しないようにしましょう。滑り止めがついている靴下や、ソールがゴム製のスリッパを使用するのがおすすめです。
また階段自体に滑り止めを施すのも、滑らないようにする方法の一つです。設置できる吸着タイプや、必要な長さにカットしてテープで貼りつけるタイプなど、さまざまな種類があります。
水洗いができてお手入れが簡単なものなど、自分の利便性に合うものを探してみましょう。
手すりをつける
階段に手すりがない場合、手すりをつけることで転倒のリスクを減らせます。手すりをつける際は、体重をかけても破損しないような頑丈なものを選び、使いやすい高さに設置するようにしましょう。
加えて、手すりにつかまりながら、照明のスイッチを操作できるようにするのもおすすめです。また、歩行の邪魔にならないよう、階段に物を置かないよう気をつけましょう。
専門家に相談する
階段で滑らないようにしたり、手すりをつけたりしても不安な場合は、専門家に相談するのがおすすめです。専門家への相談により、幅広い知見からアドバイスがもらえるでしょう。例えば、階段昇降機の販売やレンタルを行っている株式会社リフテックでは、階段昇降機に関する相談を行っております。経験豊富なスタッフが、長年の経験と確かな技術で階段での転倒に関する不安を解消するお手伝いを行います。
階段での転倒リスクを減らすために対策しよう
今回は、高齢者の階段での転倒に関する内容を解説しました。高齢者の階段での転倒は、入院を必要とする大きな事故につながる可能性を含んでいます。階段で滑らないようにしたり手すりをつけたりして、転倒リスクを減らしましょう。
それでも不安な人は専門家に相談するのがおすすめです。株式会社リフテックでは、階段昇降機の設置に関する相談はもちろん、福祉のトータルサポートを行っています。大切な家族を守りたい人は、ぜひ一度お問い合わせください。