階段昇降機とはどんな物?機能やメリットについて紹介します投稿日:2020.05.08 更新日:2022.06.02
椅子や車椅子に座ったまま階段を上り下りできる階段昇降機。駅や公共施設、病院などの階段に設置されているのを目にしたことがあるかもしれません。
体に障害がある人や高齢者にとっては、階段の上り下りはかなりの困難を伴ううえ、非常に危険でもあります。そのため、自宅に階段昇降機を設置する人も増えてきています。
そこで、階段昇降機の設置を考えている方に向けて、その種類や機能、メリットについてご紹介します。
目次
階段昇降機の種類や機能
階段昇降機とは、階段の端に沿って設置したガイドレールの上を移動する椅子型の装置のことです。
それに乗ることにより、下階と上階の間をスムーズに移動できます。階段昇降機の種類や基本的な機能について見てみましょう。
階段昇降機の種類
階段昇降機は、設置する階段の形状に合わせて、直線階段用と曲線階段用の2種類に大別されます。また、そのまま座るタイプと車椅子ごと乗るタイプ、屋内用と屋内用など、ニーズに応じたものを選ぶことができます。
直線階段用
下階と上階をつなぐ階段が直線である場合に設置するのが、直線階段用です。ガイドレールが直線のため設置にあまり時間がかからず、費用も抑えられるのが特徴です。
階段の途中に踊り場があるなども、その形状に沿ってガイドレールを取り付けることができます。
なお、階段昇降機に乗り降りする場所に十分なスペースがないが、階段の反対側であれば広めのスペースがあるといった場合は、階段の反対側までガイドレールが延ばせるタイプを選ぶと、スムーズに乗り降りすることができます。
曲線階段用
階段が途中で曲がっている場合に設置するのが、曲線階段用です。カーブに合わせてガイドレールを設計するオーダーメイドとなることがほとんどで、どのような曲がり方にも対応できます。
ただし、その分、費用も直線階段用の2倍~3倍ほどと高額になります。
しかし、たとえばコの字に折れ曲がった階段に、直線階段用を下階から踊り場、踊り場から上階の2か所に分けて設置した場合、費用としては曲線階段用より安くつくかもしれませんが、踊り場での乗り換えが必要となります。
曲線階段用は高額とはなりますが、曲がった階段の下階・上階間の移動において介助がほぼ不要となるため、長い目で見るとおすすめだと言えます。
屋外用・車椅子用
玄関が2階にあるなど屋外に階段がある場合は、防滴・防水などの加工が施されている屋外用の階段昇降機を選びましょう。
屋外用には、そのまま座る椅子タイプ以外に、車椅子ごと乗ることのできるタイプもあるので、階段の幅に余裕があれば検討してみるのもおすすめです。
階段昇降機のメリット
次に、階段昇降機を設置することで、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
安全に階段を上り下りできる
高齢になって足元が不安になったり、持病で心臓に負担を掛けられなかったりすると、自宅の階段は危険な場所になってしまいます。
若い人でも、自宅の階段で大けがをすることは少なくありません。ましてや、思うように足が動かない人であればなおさらでしょう。階段昇降機があれば、そのような人でも安全に階段を上り下りできます。
介護の負担が軽減する
家族を介護している人にとって、階段を使って介護者を移動させなければならないのは、もっともきつい作業と言えます。
それだけでなく、介護をする側にとってもされる側にとっても、かなり危険が伴う行為です。
階段昇降機は椅子に座って安全に階段を上り下りできるので、介護をする側もされる側も、安全かつ楽に移動できます。
介助なしで階段を上り下りできる
「平面の移動は問題なくできるけれど、階段の上り下りだけが困難」といった場合に階段昇降機があれば、介助してもらうことなく、自分1人で階段を使うことができます。階段昇降機は手元で操作できるため、1人でも安心して利用可能です。
さらに、ほとんどの階段昇降機には、上階・下階いずれからでも呼び戻せるコントローラーが付いています。そのため、夫婦2人で利用する場合などでも、各人が使いたいときに自由に利用できます。
店舗の利用者が増える
駅や病院などの公共施設だけでなく、飲食店などの店舗にも階段昇降機を設置すると、利用者が増えることが期待できます。
2階や3階があるもののエレベーターが設置されていない店舗には、階段昇降機を設置するメリットがあるでしょう。
階段昇降機を利用する人・解除する人が使いやすいものを選ぶ
これまでにご紹介したように、階段昇降機は用途に応じていろいろなタイプから選ぶことができます。また、メーカーによっても、搭載されている機能は異なります。
操作しやすいボタン、動作開始・停止時に速度が遅くなる、音声案内、さまざまなケースに対応した安全装置など、階段昇降機を利用する人や介助する人が使いやすい仕様になっているかという点も含めて、選んでみてください。