病院に階段昇降機を導入するメリットは? バリアフリー化の重要性を解説投稿日:2025.03.04 更新日:2025.03.04
高齢化社会が進む中、病院におけるバリアフリー対策は急務となっています。とりわけ階段は、車椅子利用者や歩行が困難な方にとって大きな障壁です。
本記事では、病院におけるバリアフリー化の重要性や、階段昇降機を導入するメリットなどを解説します。階段昇降機を設置する際の基準や注意点についても併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
病院におけるバリアフリー化の重要性
日本では急速に高齢化が進行しています。内閣府の発表によると、2023年10月時点の総人口に占める65歳以上人口の割合は29.1%ですが、2040年には同数値が34.8%にまで上昇すると推計されています。つまり、国民の3人に1人以上が65歳以上になる見込みです(※)。
高齢者の増加に伴い、誰もが安心して利用できる病院の環境整備が急務となっています。
バリアフリー化は、患者さんの安全性と快適性を向上させる上で重要な役割を果たします。例えば、段差の解消や手すりの設置は、転倒事故の防止に効果的です。また車椅子利用者や歩行に不安がある方にとって、スロープやエレベーターの設置は院内の移動を容易にし、精神的な負担を軽減します。
※参考:内閣府.「令和6年版 高齢社会白書(概要)」.https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/gaiyou/pdf/1s1s2s.pdf ,(参照 2025-01-27).
病院に階段昇降機を導入するメリット

病院に階段昇降機を設置するメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 患者さんの利便性・安全性の向上
- 病院スタッフの負担軽減
- 病院のイメージアップ
それぞれの点について詳しく解説します。
患者さんの利便性・安全性の向上
階段昇降機を病院に導入することで、高齢者や体が不自由な方、けがをしている方など、階段の昇降が困難な患者さんでも院内をスムーズに移動できるようになります。階段を行き来する際の転倒や転落のリスクも抑えられるでしょう。
また療養中の患者さんにとって、階段の昇降には体力的・精神的な負担が伴いますが、階段昇降機を導入することで負担を緩和できます。これにより、患者さんの通院・療養のストレスを和らげられるでしょう。
病院スタッフの負担軽減
階段昇降機の設置により、患者さんの昇降介助にかかる病院スタッフの負担を大幅に軽減できます。介助中の転倒や転落のリスクも避けられます。
また介助時間の短縮により、病院スタッフが他の業務に時間を割けるようになり、業務全体の効率化も見込めます。
病院のイメージアップ
バリアフリー設備を充実させれば患者さんの利便性と安全性を高められるので、病院の満足度向上につながります。誰もが安心して利用できる病院として、地域住民からの信頼を得られるでしょう。
階段昇降機の導入には初期費用がかかりますが、長期的な視点で見れば患者さん・病院双方にとって多くのメリットをもたらすといえます。
病院に階段昇降機を設置する際の注意点
病院の階段は、建築基準法に加えて医療法における基準も満たす必要があります。階段昇降機の設置に伴い階段そのものの改修を行う場合は、下記の要件を満たすよう注意して設計をしてください(※)。
直通階段 | 2階以上の階に病室がある場合は、 患者さんの使用する屋内の直通階段を2つ以上設けること患者さんの使用するエレベーターが設置されているものや、2階以上の各階における病室の床面積の合計が50㎡(主要構造部が耐火構造、又は不燃材料の場合は100㎡)以下のものについては直通階段を1つとすることができる |
直通階段の構造 | 階段及び踊場の幅:内法で1.2m以上蹴上:20cm以下 ・踏面:24cm 以上適当な手すりを設ける |
避難階段 | 3階以上の階に病室を有するものは、避難階段を2以上設ける |
上記のように、原則として2つ以上の直通階段を設ける、一定以上の階段の幅を確保するといった基準があります。
※参考:一般社団法人 日本医療福祉建築協会.「4 病院における廊下・階段について」.https://www.jiha.jp/wpweb/wp-content/uploads/2018/05/P25.pdf ,(参照 2025-01-27).
病院におすすめの階段昇降機
病院への設置に適した、おすすめの階段昇降機を2つご紹介します。
いす式階段昇降機 スギヤス昇助くん SEC9K
「いす式階段昇降機 スギヤス昇助くん SEC9K」は、安全性と快適性を追求しながら、省スペースでの設置を実現した製品です。折りたたみ時の奥行きはわずか24cm。限られたスペースでも設置できるため、小規模な病院にもおすすめです。
また高さ約65cmの背もたれを採用し、肩までしっかりと支えることで快適な座り心地を実現しています。さらに高級感のある合皮素材のいすは、院内の雰囲気に合わせて3色から選べます。
いす式階段昇降機 タスカル アルーラ
「いす式階段昇降機 タスカル アルーラ」は、曲線の階段にも対応しており、屋外にも設置可能な製品です。座面の高さが床から49cmと低いため、車椅子からの乗り移りがスムーズに行えます。
肘掛けと一体になったレバーを押すだけで進み、離せば止まる直感的な操作性なので、初めて利用する方でも戸惑うことなく利用できるでしょう。
階段昇降機の購入・レンタルをお考えの方へ
高齢化の進展に伴い、病院におけるバリアフリー化は重要性を増しています。特に階段は車椅子利用者や高齢者にとって移動を不自由にするだけでなく転倒やけがといったリスクにもなり得るので、階段昇降機を導入して誰もが利用しやすい環境を整備しましょう。
階段昇降機を導入することで、患者さんの移動の負担軽減と安全性の向上、病院スタッフの介助負担の軽減、そして病院のイメージアップなど多くのメリットが見込めます。
設置を検討する際は、建築基準法や医療法に適合するよう設置場所や階段の幅に気を付ける必要があります。また病院の広さやニーズに合った適切な階段昇降機を選ぶことも大切です。もし適切な設置場所や製品に迷っているなら、専門業者へ相談しましょう。
株式会社リフテックでは、階段昇降機の販売・レンタルを行っています。屋内・屋外・直線階段・曲線階段などさまざまなケースに対応した製品を扱っています。階段昇降機の導入をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。