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学校のバリアフリー化が必要な理由とは? 車椅子の生徒のためにできる工夫を解説投稿日:2024.12.03 更新日:2024.12.03

車椅子を使用する児童や生徒が支障なく学校生活を送るためには、バリアフリー化が必要です。また、公立小中学校の多くは災害時の避難所に指定されているため、地域の高齢者や足が不自由な方が利用しやすくするためにもバリアフリー化が求められています。


本記事では、学校内でバリアフリー化が必要な理由や、車椅子使用者に対して学校ができる工夫を解説します。


学校内のバリアフリー化が必要な理由


令和2年に改正バリアフリー法(「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」)が施行され、文部科学省は令和7年度末までに公立小中学校などのバリアフリー化に関する国の整備目標を設定しました(※)。


具体的には、下記のような内容が挙げられています。


  • 避難所に指定されている全ての学校に車椅子使用者用トイレを整備する
  • 全ての学校でスロープなどによる段差解消を行う
  • 要配慮児童生徒などが在籍する全ての学校にエレベーターを設置する

学校施設は児童生徒が一日の大半を過ごす場所であるため、車椅子を利用する児童や生徒も支障なく学校生活を送れるような工夫が必要です。


しかし、特別支援学校を除き、小中学校のバリアフリー化は遅れているのが現状です。


公立小中学校の9割以上は災害時の避難所に指定されているため、災害時は地域の高齢者や足が不自由な方を含めた多くの方が利用します(※)。


学校施設は車椅子を使用する児童や生徒のため、そして避難所としての役割を果たせるようにバリアフリー化を含めた整備を急速に進める必要があります。


※参考:文部科学省「学校施設のバリアフリー化の加速に向けた取組事例集」“はじめに”

https://www.mext.go.jp/content/20220610-mxt_kouhou01-000023031_02.pdf ,P3 P7(参照2024-10-24)

車椅子ユーザーに対して学校ができる工夫



車椅子を使用する児童や生徒が学校生活を支障なく送れるように、学校ができる工夫には次のようなことがあります。


バリアフリートイレの増改築


車椅子を使用する児童や生徒が快適な学校生活を送るには、バリアフリートイレの増改築が不可欠です。


バリアフリートイレとは、車椅子の使用者用トイレやオストメイト設備を有するトイレの総称です。


車椅子使用者や排泄に介助が必要な方が使いやすいようにスペースが広く取られ、手すりが設置されています。扉は開閉しやすい引き戸式で、車椅子利用者が押しやすい位置に開閉ボタンや鍵が付いています。


学校で一日の大半を過ごす車椅子の児童や生徒にとって、バリアフリートイレは必要不可欠です。しかし、公立小中学校で校舎にバリアフリートイレを設置している割合は令和4年9月1日時点で全体の70.4%、屋内運動場では41.9%しかありません(※)。


バリアフリートイレは令和7年度末までに、避難所に指定されている全ての学校での整備が目標とされています。避難所に指定されている小中学校は全体の約93%なので、令和4年の時点ではまだ不足している状況です。


※参考:文部科学省.「学校施設のバリアフリー化に関する実態調査を実施しました」.“学校施設のバリアフリー化に関する実態調査 調査結果のポイント”https://www.mext.go.jp/content/20221226-mxt_sisetuki-000026670_11.pdf ,(2022-09-01).


スロープ設置による段差解消


段差の解消は車椅子使用者のスムーズな移動に欠かせません。昇降口や屋内運動場の入口など、段差がある場所にスロープを設置することで、車椅子の児童生徒も移動しやすくなります。


スロープは車椅子使用者だけでなく、さまざまな利用者が安全に使えるよう勾配がきつくなりすぎないよう配慮が必要です。手すり付きのスロープは転倒を防止できるため、児童や生徒だけでなく、地域の高齢者や足の不自由な方が学校を利用する際も安心して通行してもらえます。


階段昇降機の導入


階段昇降機とは階段の昇り降りを補助する機械です。階段昇降機にはいす式と車椅子用があり、足が不自由な児童や生徒のために設置する学校が増えています。車椅子用の階段昇降機は車椅子に座ったまま昇降機に乗って移動できるため、学校に導入すれば車椅子を使用する生徒も校内を移動しやすくなるでしょう。


また、屋内運動場のステージ脇に段差解消機を設置した学校もあります。段差解消機とは、車椅子のまま設置された台に乗り、上昇・下降できる装置です。スロープを設置するのが難しい狭い場所でも設置できます。ステージ脇に段差解消機を設置すると車椅子に乗ったままステージに上がれるため、他の児童や生徒と一緒に学校での活動を楽しめます。


バリアフリーマップの作成

敷地が広い学校では、バリアフリーマップを作成するのも良いでしょう。バリアフリーマップとは、段差やスロープ、エレベーター、バリアフリートイレなどの有無や場所を記載したマップです。


バリアフリーマップを作成すれば、車椅子を使用する児童や生徒もバリアフリー動線が分かりやすいため、快適な学校生活が送れます。また、車椅子を使用する地域住民が初めて学校を訪れるときも、バリアフリーマップがあればスムーズに移動しやすくなります。


学校は車椅子ユーザーが快適に過ごせるように工夫が必要


障害のある児童や生徒でも不自由なく学校生活を送れるよう、学校側にはバリアフリー化の推進が求められます。できるだけ段差を解消することが大切ですが、解消が難しい場所はスロープや階段昇降機などを導入し、車椅子に乗ったまま移動できるように工夫しましょう。


株式会社リフテックは、階段昇降機の販売やレンタルを行っています。さまざまな階段昇降機を取り扱っているため、学校や施設に合った階段昇降機を選べます。経験豊富な技術者が設置からメンテナンスまで対応しているため、階段昇降機の導入をご検討中の方は、ぜひご相談ください。


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