階段昇降機とは?メリットや種類、設置条件、導入の流れを徹底解説投稿日:2020.09.08 更新日:2021.06.01
「だんだんと階段の昇り降りがつらくなってきた」「階段の昇り降りがおっくうで2階が物置と化している」といった声は少なくありません。階段を不自由なく昇り降りできないことで行動が制限され、生活の質が下がったと感じる人もいるでしょう。
そのような人にとって、階段昇降機は検討する価値のある設備です。安全に階段を昇り降りできることで、本人だけでなく家族にとっても大きなメリットがあります。この記事では、階段昇降機について詳しく解説します。
目次
階段昇降機とは?
階段昇降機とは、階段の昇り降りを補助するリフトです。
加齢や病気、先天的な疾患などの事情を抱える人にとって、段差は行動を制限する大きな要因になります。
特に階段は、1段あたりの段差が大きく、健康な人であっても昇り降りには体力を使うものです。
階段昇降機は、安全を確保しながら異なる階へ移動する際に使用されます。
転倒などのリスクを未然に回避するために使用されるケースも少なくありません。在宅介護の現場でも、多くの階段昇降機が活躍しています。
階段昇降機の役割・メリット
階段昇降機の役割は、身体に不自由がある人の生活を助け、幸福度を向上させることです。
特に在宅介護では、これまでの生活スタイルを変えざるを得ない状況になることも多く、当事者にとって大きなストレスになります。
たとえば、2階の窓から眺める景色が好きであっても、階段の昇り降りができないために1階での生活を余儀なくされるという状況は、幸福度の低下につながるでしょう。
また、身体に不自由がある人を2階に連れて行くことは、介護者にとって大きな負担となります。
階段昇降機は異なる階の移動を容易にし、当事者の幸福度を維持しながら介護の負担を軽減します。
設置にあたっても、エレベーターのように大規模な工事は必要ありません。
ほとんどの階段に設置可能で、家の改修を行わずとも導入できます。
階段昇降機の使用は特別な資格や訓練も不要です。
既存の階段に設置でき、誰でも簡単に使用できることは、階段昇降機の大きなメリットです。
階段昇降機の種類
階段昇降機の設置にあたっては、設置場所や階段の形状、予算などから、適した種類のものを選ぶ必要があります。
ここでは、階段昇降機の種類とそれぞれの特徴を解説します。
イス式と車イス用
階段昇降機には、イス式と車イス用の2種類があります。
イス式は、あらかじめ設置されたイスがレール上を動くことで利用者を異なる階へ運びます。
昇降機そのものはコンパクトで居住空間を圧迫しないため、狭いスペースでも設置可能です。
車イス用は、車イスのまま昇降機に乗り込めるよう設計されています。
イスへの乗り換えが必要ないことが特徴ですが、比較的広いスペースが必要になります。利用者の健康状態や介護者の負担、住宅の状況などを考慮して検討しましょう。
屋内用と屋外用
玄関が2階にある場合や、外階段から直接2階の住空間へ入るつくりの家では、屋外に階段昇降機を設置するケースもあります。
その場合は、防水対策がされている屋外用の製品を選び、使用時以外は防塵カバーで保護することが大切です。
製品によっては、屋外、屋内のどちらでも使用可能なものもあります。
ルーフの有無や湿気、結露など、住宅事情はそれぞれ異なるため、専門的な知識を持つ業者に相談すると安心です。
直線型と曲線型
階段には、直線、L字、U字などのタイプがあります。
階段昇降機を選ぶ際には、階段の形状に合うものを選びましょう。基本的に、直線階段では選べる製品の選択肢が多く、比較的安価です。
一方、L字やU字の階段にも設置できる曲線型は、レールをオーダーで製作することとなり、費用も少し割高になります。
階段昇降機は安全に階段を上り下りすることを目的として設置するものです。
予算と相談しながら、使い勝手が良く住宅事情に適したものを導入しましょう。
可搬型階段昇降機
可搬型階段昇降機は、主に介護・医療施設に導入されています。
持ち運びが可能で、どこでも使用できるというメリットがある一方、操作にあたっては資格取得が必要です。
資格取得は機種別講習と基礎講習を修了し、その後に可搬型階段昇降機安全指導員資格認定申請を行って認定を受ける必要があります。
もちろん、利用者の家族が資格を取得することも可能ですが、階段昇降機を操作する人が限られてしまうのが難点です。
自宅に設置するのであれば、イス式や車イス用を検討すると良いでしょう。
階段昇降機の設置条件
階段昇降機は、ほとんどの家で問題なく設置できます。
一方、最低限のスペースや電源が確保できない場合は、設置が困難なケースがあるので注意しましょう。
ここでは、階段昇降機の設置にあたって必要な条件について解説します。
階段に十分な幅があるか
階段昇降機の設置には基本的に75cmの階段幅が必要です。
階段幅が狭くても設置できるとされる直線階段でも70cm程度は必要だと考えましょう。
ほとんどの住宅では70cm以上の階段幅が確保されていますが、築年数が古かったり特別な事情により狭い階段を設けていたりする場合は注意が必要です。
十分な階段幅を確保できない場合は、一部を改修することで設置が可能となるケースもあります。
狭い階段であっても、まずは業者に見てもらって判断しましょう。
設置個所にコンセントがあるか
階段昇降機は電力を使って稼動します。
搭載されているバッテリーを充電するため、階段の近くに100Vの電源を取るコンセントが必要です。
既存のコンセントがあり、充電用に使用できる場合は問題ありません。
一方、階段の近くにコンセントがなかったり、すでに他の用途で使用していたりする場合は、コンセントの増設が必要です。
屋外に設置する際は、専用のコンセントが必要になるケースが多いため注意しましょう。
屋外では公道との境界線も確認
屋外に階段昇降機を設置する場合、レールやイスが建物の敷地内に収まらないことがあります。
特に、公道に面した屋外階段に設置するケースでは、公道との境界線に干渉するという事例が多く見受けられます。
このような問題を解決するためには、境界線に干渉しない高さまで上がれるスロープを設置して階段昇降機の始発点を高い位置にするなどの工夫が必要です。
安全を確保することが非常に重要なため、実績のある業者と相談しながら、境界線の問題をクリアしつつ設置できる方法を十分に検討しましょう。
階段昇降機の設置にかかる期間
階段昇降機の設置にあたっては、直線タイプで約2週間、曲線タイプで約45~60日間の期間を要します。
基本的には、現地調査とヒヤリングをもとに設置プランと見積もりの提案を受け、その後に契約します。そこから、製作、設置、引き渡しという流れです。
設置までの期間に幅があるのは、機種や工事内容によって工数が異なるためです。
階段の改修工事などが必要な場合は、さらに期間を要することもあります。「この日から使用したい」という希望がある場合は、おおよその設置期間を考慮して検討しましょう。
階段昇降機はレンタルも可能
階段昇降機の設置には費用がかかります。
一方で「いつまで使うかわからない」「使わなくなった場合はどうすれば良いのか」という声があることも事実です。
階段昇降機は購入のみならず、レンタルでの取り扱いもあります。
リフテックでは、屋内用で7,500~1万5,000円、屋外用で1万~1万9,000円(いずれも1カ月)で提供しており、最低契約年数もありません。
利用期間が長期におよぶ確信がない場合は、レンタルを検討してみましょう。
リフテックが長年の経験と技術でサポートします
階段昇降機は誰でも簡単に操作でき、生活の質を向上させてくれる設備です。
介護者の負担軽減にもつながり、安全で笑顔あふれる環境づくりに役立ちます。
リフテックは階段昇降機の設置において、長年の経験と確かな技術を有している福祉のトータルサポート企業です。アフターサポート体制も充実しており、全国エリアに対応しているので、設置後も安心して使用できます。階段昇降機の設置を検討しているのなら、お気軽にお問合せください。