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病気により階段がつらい方へ – 日常生活への影響や対策方法を解説!投稿日:2025.10.31 更新日:2025.10.31

階段の上り下りは、毎日の生活に欠かせない基本的な動作の一つです。しかし、加齢や病気の影響によって、この何気ない動作が次第に負担となる場合があります。特に膝や腰に不調を抱える方は、痛みや不安定さから階段を避けるようになり、転倒リスクの増大や生活の質の低下につながる可能性があります。

階段昇降は筋力・バランス・呼吸機能など、全身を使う複雑な動作です。そのため、少しの不調でも安全性に影響しやすく、高齢者を中心に注意が必要です。転倒は骨折や要介護状態を招く大きな要因でもあり、階段の安全確保は暮らしの安心に直結します。

本記事では、病気によって階段昇降がつらくなる理由と日常生活に及ぼす影響、さらに対策方法について解説します。

病気による階段昇降への影響は?

階段の上り下りは、膝や腰の関節、筋肉、神経、さらには呼吸機能まで多くの要素が関わる複雑な動作です。病気によってこれらの機能が低下すると、昇り降りが難しくなる場合があります。特に高齢者は筋力の衰えや持病の影響を受けやすく、転倒や骨折につながりかねません。ここからは代表的な病気ごとに、その影響を詳しく見ていきます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減って炎症や変形が進むことで起こる病気です。膝に痛みや可動域の制限が生じ、階段昇降が大きな負担になることがあります。膝がカクンと抜けるように感じたり、痛みをかばって歩くことでバランスを崩しやすくなったりする点も特徴です。

特に階段では膝関節に体重の数倍の負担がかかるため、膝の安定性が低下している人にとっては転倒リスクが高まります。さらに、大腿四頭筋やふくらはぎの筋力が落ちると体を支えにくくなり、段差でつまずく危険も増します。日常生活で階段を避けるようになるといった行動変化にもつながりやすく、生活範囲が狭まるきっかけとなることもあります。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫する病気です。腰や足に痛みやしびれが生じ、歩行が不安定になることがあります。足の筋肉を動かしにくくなる場合もあり、つまずきやすい状況につながります。その結果、階段の上り下りが難しく感じられるケースも少なくありません。

また、咳やくしゃみによって症状が悪化することがあり、日常の動作に制約がかかります。高齢者の場合は歩行障害が顕著になりやすく、転倒の危険性も増します。さらに重症例では排尿や排便のコントロールに影響が出ることがあり、早めの医療的対応が求められる場合もあります。階段の利用は特に慎重になる必要があります。

糖尿病

糖尿病の患者は、加齢と相まってサルコペニア(筋肉量の低下)を起こしやすいとされています。下肢の筋量や筋力が減ることで、階段の上り下りや椅子からの立ち上がりなどの動作が難しくなる場合があります。筋肉の質も低下しやすく、体を支える力が弱まることで転倒リスクが高まります。

また、筋肉量が減るとエネルギー消費が下がり、血糖コントロールが悪化しやすくなるため、糖尿病とサルコペニアは悪循環に陥る可能性があります。その結果、疲れやすさやフレイル(虚弱)の進行につながり、健康寿命を縮める要因となり得ます。階段を安全に昇降するためには、こうした影響を理解しておくことが大切です。

脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳細胞に障害が生じる病気です。後遺症として片麻痺や半身麻痺が残ることがあり、階段の上り下りに大きな影響を与えます。麻痺により体の片側に力が入らず、バランスを崩しやすくなるため、昇降時に転倒のリスクが高まります。

また、麻痺側に体が傾きやすいことや、ふらつき・めまいが伴うケースもあり、動作の不安定さが増します。転倒による骨折は長期入院につながり、さらに活動量の低下や認知機能の悪化といった二次的なリスクを招く可能性があります。階段昇降は日常動作の中でも危険度が高く、慎重な対応が必要です。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

ALSは運動神経が障害され、全身の筋肉が徐々に動かなくなる進行性の神経疾患です。初期には「歩く速度が遅くなった」「足首が上がりにくい」などの違和感が現れ、転倒しやすくなります。体幹を支える力も弱まり、座位や立位の維持が難しくなることがあります。

進行に伴い、呼吸に関わる筋肉にも影響が及び、階段を上る際に息切れを感じやすくなります。症状が広がると生活全般に制約が増え、日常動作の多くが困難になる可能性があります。階段昇降は早い段階から支障が出やすい動作の一つであり、転倒や事故を防ぐ工夫が求められます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは、長年の喫煙などによって肺に慢性的な炎症が起こり、呼吸機能が低下する病気です。主な症状は息切れであり、特に階段の上り下りのように強い負荷がかかる動作で顕著に現れます。肺の機能が低下しているため、少しの動作でも呼吸が苦しくなることがあります。

病気が進行すると、活動量が低下したり、心肺機能への負担が増したりすることがある他、風邪や肺炎などの感染症をきっかけに症状が急激に悪化する増悪が起こることもあります。また、新型コロナウイルス感染時には重症化しやすいとされており、注意が必要です。階段昇降は息切れを悪化させやすいため、安全に生活するうえで大きな課題となります。

ご自宅の安全性を高めるには階段昇降機の設置がおすすめ

家庭内で転倒事故が多い場所の一つが階段です。特に病気や加齢によって足腰が弱っている方にとって、階段の上り下りは大きな負担となり、転倒や骨折につながるリスクが高まります。こうしたリスクを軽減する方法の一つが、階段昇降機の設置です。

階段昇降機は椅子に座ったまま階段を昇り降りできる装置で、自宅の階段に後付けで設置することが可能です。身体への負担を和らげるだけでなく、転倒防止に役立つ点が大きな特徴です。高齢者や要介護者が自宅で安心して暮らし続けるための自立支援機器として、導入を検討する家庭が増えています。

設置には購入だけでなくレンタル制度を利用できる場合もあり、必要な期間だけ活用する選択肢もあります。費用や設置条件は家庭ごとに異なりますが、いずれも「安全性を高められる手段」として検討する価値があります。

まとめ

階段昇降は、病気や加齢によって大きな負担になることがあります。膝関節症や椎間板ヘルニアで足腰が弱った方、脳梗塞の後遺症で片麻痺が残る方、ALSのように進行性の病気を抱える方、あるいはCOPDで息切れを感じやすい方など、状況はさまざまです。いずれも共通しているのは、階段が生活上の障壁となりやすいという点です。

リフテックでは、これまで多様なケースで階段昇降機の設置を行ってきました。階段昇降機は転倒リスクを下げるだけでなく「自宅で暮らし続けたい」という願いを支える大切な手段でもあります。さらに、ご本人だけでなくご家族や介護者の安心感を高める効果も期待できます。

病気や加齢による階段の不安を感じている方にとって、階段昇降機は日々の生活を支える現実的な選択肢の一つです。少しでも安全で快適な暮らしを実現するために、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者:沖野 進亮
リフテック創業時から階段昇降機に携わり、18年目。5,000件以上の階段昇降機に関するお問い合わせや、1,300件以上の階段昇降機の設置を対応。

階段昇降機のことならリフテックにお任せください。

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