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階段昇降機を自宅に取り付ける際に気を付けるべき建築基準法2020.04.01

バリアフリーに役立つ階段昇降機

階段昇降機の建築基準法を説明する画像

高齢化社会がいよいよ進むにつれて、家の中をバリアフリーにする方は少なくありません。

高齢者が快適に日常生活を送るために、さらに安全に生活するための配慮です。高齢者の場合室内でも転倒などの事故に遭う恐れがありますが、特に憂慮されるのが階段からの転落です。

「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果(全体版)」によれば、室内の転倒場所で階段は13.8%と第3位となっており、骨折などの大事故につながりかねない事故も頻繁に起こっています。

階段での転倒は寝たきりになってしまう恐れがあり、非常に危険です。そこで高齢者の階段での転倒を防ぐために有効なのが階段昇降機です。

とはいえ、誰もが勝手に自宅に階段昇降機を取り付けられるわけではありません。まずは階段昇降機のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

階段昇降機のメリットとは

階段昇降機は階段にイスが設置されており、階段や傾斜路に沿って昇降するエレベーターです。階段昇降機には大きなメリットがいくつかあります。

まずは既存の建物に階段昇降機を設置する場合、建物自体に手を加える必要がないという事です。

大規模なリフォームや増築などが必要ないため、比較的気軽に設置することができます。さらに螺旋階段などを含め、現存するほとんどの階段に設置可能です。

高齢者が2階や3階に移動する方法は他にもホームエレベーターが考えられますが、階段昇降機はホームエレベーターよりも安価であるため導入しやすいのもメリットと言えるでしょう。

階段昇降機にはデメリットもある

ただし階段昇降機の設置にはデメリットも伴います。例えば階段昇降機は既存の階段に設置しなければならないため階段の有効幅が狭くなります。

昇降中は階段が一時的に利用できなくなることもあるかもしれません。加えて車いすを利用している高齢者は昇降機に乗るたびに車いすから移動する必要があります。

自力で移動できる高齢者であれば問題ありませんが、そうでない高齢者の場合には介護者の負担が増える可能性があります。

階段昇降機を設置する際の建築基準法

高齢者が他の階へ移動するのに大変便利な階段昇降機ですが、便利だからといってすぐに設置できるわけではありません。

階段昇降機は法律上エレベーターの一種なので、自宅に設置するためには建築基準法の定める基準を満たさなければなりません。では階段昇降機を設置する際に遵守すべき建築基準法を見ていきましょう。

階段昇降機の構造の規定

建築基準法第百二十九条では、エレベーターを筆頭に階段昇降機や段差解消機についての規定が設けられています。

したがって階段昇降機を設置する際にはこの建築基準法の規定を守った物を設置しなければなりません。

例えば「特殊な構造又は使用形態のエレベーター及びエスカレーターの構造方法を定める件」では階段や傾斜路に沿った階段昇降機の場合、定格速度は9m以下と定められています。

さらに昇降の際にはボタン等の操作が必要であり、操作中にのみ昇降する構造でなければなりません。

操作ボタンもしくは操作レバーから手を離したなら即座に階段昇降機が停止するようにしておく必要があります。

加えて人や物が挟まった時に直ちに運転を停止させるための障害物検知装置の設置、高齢者の転倒を防止するためのシートベルトの設置も義務です。

動力が断たれた時に階段昇降機を安全に停止させる制動装置、イスの行き過ぎを防ぐリミットスイッチやファイナルリミットスイッチなども設置するべきです。

建築確認申請に関する規定

新築住宅を建てる場合、さらに既存住宅をリフォームする場合には建築確認申請が必要になります。

もし住宅を新築する時に階段昇降機を取り付けるのであれば建築確認申請が必要となります。木造2階建てなどの小規模な建築物であっても、新築の場合には建築基準法第六条に基づき建築確認申請が求められます。

一方で既存住宅に階段昇降機を取り付ける場合には、建築確認が不要のケースも出てきます。

第一号と呼ばれる病院やホテルなど床面積の合計が100平方メートルを超える建築物、第二号の3階建て以上の建物や高さが13mを超える建物、第三号の木造以外の2階建て以上もしくは延べ面積が200平方メートルを超える建物に関しては、建築確認申請が必要です。

しかし第一号から第三号に該当しない四号建築物と呼ばれる、木造2階建ての建築物については建築確認申請が不要です。

ただし一部の特定行政庁では建築基準法十二条第五項に基づいて報告が求められるかもしれません。

自宅に階段昇降機を設置する際に、建築確認申請が必要かどうかもしっかり把握しておきましょう。

建築基準法にも通じてスムーズに階段昇降機の設置を

自宅をバリアフリーにしようとして階段昇降機の設置を思い立っても、考慮すべきことがいくつもあります。

特に関連する建築基準法を遵守して設置することは非常に重要です。もちろん階段昇降機を設置する業者はこうした法律に通じているはずなので、見積もりを取る際などに相談すると良いでしょう。法律を守りながら、高齢者に優しいバリアフリー住宅にしていくようにしたいものです。